さくちゃんの生きもの便り

Ikimono Dayori sono80

2012年梅雨明け直後の沖縄本島両生爬虫類観察紀行−1

2012年6月22日から24日の3日間、両生爬虫類の観察を目的に沖縄本島に行ってきました。

メンバーは妻 貴子と長男の峻(ターチ)、西多摩自然フォーラムメンバーで鳥類の専門家のいがちゃん、クモ類専門の新井さんとさくちゃんの5人ですが、23日は東京から名護に移住した中川君と合流し観察を行う予定です(長女の絢生は仕事のためお留守番)。

 

6月22日

 

台風情報や天気予報を聞きながら羽田に到着。

いつもお世話になっているやんばる野生生物保護センターの中田さんや中川君へのお土産を買い込んで、8:35発那覇行きに乗り込み11:00に那覇空港に到着しました。

空港で機内預かりの荷物を受け取り、予約していたレンタカーの受付カウンターへ。

受付カウンターは順番待ちでごった返しています。1時間ぐらい待たされて車に乗り込みます。

20日からヤンバル入りしているいがちゃんと新井さんとは夜間観察から合流予定のため、公設市場等で買い物を済ませて北上することにします。

まずは、東北地方太平洋沖地震で壊れてしまった陶器を補充するために、「壺屋やちむん通り」に向かいます。

色々なお店を覘いた後で、お馴染みのお店で沖縄陶器を購入。

 

お馴染みの店で品定めをする妻

お馴染みの店で品定めをする妻

壺屋やちむん通りで記念撮影

壺屋やちむん通りで記念撮影


御惣菜を購入する妻 御惣菜を購入する妻

御惣菜を購入する妻

 

次は、公設市場に移動して、先発隊への差し入れや夜食のための御惣菜を購入。

これで準備完了。

ヤンバルに向けて出発です。

天気は時折激しい雨が降るという台風通過直後の不安定な陽気。梅雨明け直後を狙ってスケジュールを立てたのですが、梅雨明けはまだのようです。

奥間に到着後「やんばる野生生物保護センター」の中田さんに挨拶をし、中川君とも久しぶりの再会。

明日の待合わせ時間を確認し、宿泊先の「JALプライベートリゾートオクマ」へ向かいチェックイン後、ビーチに出てみることにします。

「考えてみると毎年何回か南西諸島に来ているけど、ビーチサイドでのんびりとした一時を過ごすのは家族で訪れた時だけだなー・・・・・・何だか安らぐなー」などとセンチメンタルな気分になっていると、突然大粒の雨が・・・・・・・・。 慌ててコテージに駆け込む3人なのでした。

 

夕暮れのビーチサイド

夕暮れのビーチサイド

慌ててコテージに向かう妻とターチ

慌ててコテージに向かう妻とターチ


 

18:30 夜間調査の準備を整えて、待ち合わせ場所の道の駅に向かいます。

19:00 いがちゃん・新井さんと合流し 夜間調査の開始です。

車2台で奥間から比地農道を通り大国林道に向かい、大国林道を北上し与那覇岳登山口で車を停めて、与那覇岳を散策することにします。

大国林道まではさくちゃん達が先導します。路面は程よく湿り気温も高いため両生爬虫類の観察には最適な状態です。

時々リュウキュウカジカガエルが飛び出しますが無視して大国林道に到着。

ここからは一本道なので、いがちゃん達に先に進んでもらい、10〜15分遅れでさくちゃんが進みます。

車のライトに驚いて大きくジャンプを繰り返し、林道を横切るのは、ハナサキガエル(Rana narinaです。

止まっている姿勢が独特のため遠くからでも本種であることが分かります。

ヤンバルでは比較的多く観察することができるカエルなのですが、沖縄島北部の固有種です。

時折激しく降る雨で、車から降りて写真撮影をするのが億劫になりますが、体色や斑紋等の個体変異が大きいカエルのため、初めのうちはまめに撮影します。

この夜は背面がコバルトブルーの個体も観察することができました。

 

ハナサキガエル ハナサキガエル
ハナサキガエル ハナサキガエル

ハナサキガエル(Rana narina


水汲み場付近で姿を見せてくれたのは、大型のカエルのホルストガエルとナミエガエルです。

ホルストガエル(Babina holstiは、沖縄島北部と渡嘉敷島の固有種で、イシカワガエルやナミエガエルと同様に県の天然記念物に指定されているカエルです。

繁殖初期のため、時折谷間からグゥー・グゥー・グゥー・グヲンッと、とてもとカエルとは思えない鳴き声が聞こえ、我々を楽しませてくれます。

奄美大島と加計呂麻島には、近縁種のオットンガエルが生息しており、ホルストガエルと同じように、前足には5本の指があります。

ナミエガエル(Limnonectes namiyei )は、イシカワガエルと同様に、沖縄島北部の固有種です。

山地渓流性のカエルで、山地の源流部に生息し水生傾向の強い種ですが、この水汲み場周辺ではU字溝や雨水桝で繁殖しており、いつも高い確率で観察することができます。

これらのカエルは、見つけるたびに「どれどれ〜」などと言いながら全員で写真やビデオ撮影が始まります。

真っ暗な林道にライトが揺れ、1匹のカエルを取り囲み、地面に寝転がったり、両肘を着いたりしながら、楽しそうに撮影しているメンバーを見ていると、幸せだなーと思うさくちゃんなのでした。

空を見上げると、雲間から沢山の星がまたたき、クロイワボタルが飛び交っていました。

 

ホルストガエルを撮影するメンバー ホルストガエルを撮影するメンバー
ホルストガエルホルストガエル

ホルストガエル(Babina holsti)とホルストガエルを撮影するメンバー

 

ホルストガエルを撮影するメンバー ホルストガエルを撮影するメンバー
ホルストガエル ホルストガエル

ナミエガエル(Limnonectes namiyei )とナミエガエルを撮影するメンバー

 

続く