さくちゃんの生きもの便り

Ikimono Dayori sono67

沖縄本島ラナウイルス・カエルツボカビ症調査協力紀行

土砂降りの中、車に到着。ここからは別行動で、宇根先生は大国林道を南下しスワブ調査を行いながらホテルに向かい、我々は大国林道を北上し、県道2号を経由して奥・与那林道を進みます。

ヘッドライトに巨大なホルストガエルやイシカワガエルが照らし出されますが、土砂降りのため、車から出て写真撮影することができません。

小降りになることを期待して北上を続けると徐々に雨は止み、路面が乾いています。どうやら与那覇岳周辺だけの集中豪雨だったようで、奥・与那林道に入ると路面はカラカラに乾いています。

仕方ないので、西銘岳山麓まで移動することにします。

生きもの便り5557に記述した奥川源流部の違法伐採地に差し掛かると、リュウキュウカジカガエルとオキナワアオガエルがたくさん鳴いています。

車から降り、鳴き声がする方向に細流を歩いてみることにします。

沢の中からはホルストガエルの鳴き声も聞こえます。

足元から、夥しい数のリュウキュウカジカガエルが飛び跳ね、その中には抱接している個体もたくさんいます。

ヒメハブやガラスヒバァもカエルを狙ってやってきています。

 

リュウキュウカジカガエルメスリュウキュウカジカガエルオス
リュウキュウカジカガエル♀ リュウキュウカジカガエル♂
抱接中のリュウキュウカジカガエル抱接中のリュウキュウカジカガエル
抱接中のリュウキュウカジカガエル(Ovophis okinavensis

数は少ないのですが、リュウキュウカジカガエルに混じってヒメアマガエルもいました。

ヒメアマガエルは、喜界島・奄美大島以南の南西諸島に広く分布し、海岸付近からの集落や農地、山地部の樹林地まで幅広い環境に極めて普通に生息しています。

海外では台湾・中国東南部・東南アジア・インドに分布していて、1種だと思われていましたが、最近の研究成果から、少なくても4種に分化していることが分かっています。

日本で一番小さなカエルでジャンプ力もあるため、なかなか見つけにくいカエルです。

 

ヒメアマガエルヒメアマガエル
ヒメアマガエル(Microhyla okinavensis

違法伐採地を後にし、西銘岳東山麓にやってきました。

今夜も多くのクロイワトカゲモドキが姿を表しています。

昨夜、たくさん写真撮影したのですが、完全尾の個体が多かったので、少しだけ撮影することにします。


完全尾のクロイワトカゲモドキメス完全尾のクロイワトカゲモドキメス
完全尾のクロイワトカゲモドキ♀

これで夜間調査は終了です。林道を流しながらホテルに戻ることにします。

途中、比較的大きいアカマタが林道に出てきていたので、ちょっとだけ写真撮影です。


アカマタ アカマタを撮影する吉田君
アカマタ(Dinodon semicarinatum アカマタを撮影する吉田君

ホテルに戻ると午前4時。

ホテルの廊下に掛けてある鏡にオンナダケヤモリと思われる幼体がくっついています。

鏡合わせの写真を撮って、部屋に入り爆睡。

 

オンナダケヤモリ幼体
オンナダケヤモリ幼体
オンナダケヤモリ幼体(Gehyra mutilata
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文と写真:佐久間 聡(さくまさとし)

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