その55 イボイモリ観察紀行−3
Ikimono Dayori sono55
イボイモリ観察紀行 Page3

 ホテルでチェックインを済ませ、夜間観察用具の懐中電灯や蛍光灯、カメラのストロボに電池を入れて準備完了。
 軽く夕食を済ませて、午後7:30にホテルを出発。
 県道2号から林道を北上します。
 入梅しているにもかかわらず雨が降っていないため、林道はカラカラ状態です。
 期待薄ですが、奥集落までゆっくり車を走らせます。

 最初に姿を現してくれたのはミナミヤモリです。
 ミナミヤモリは、国内では、九州南部から大東諸島を除く南西諸島全域に広く分布する在来種です。
 集落内には少なく、照明のない建造物や樹林地に多く生息しています。初夏から夏にかけて林道に出てきている個体を多く見かけます。
 沖縄島の集落内の街灯や自動販売機・公衆電話ボックスの明かりに集まり、昆虫を捕食しているヤモリは、ほとんどがホオグロヤモリです。
ミナミヤモリ
ミナミヤモリ
ミナミヤモリ

ハナサキガエル  次に姿を現してくれたのは、ハナサキガエルです。
 ハナサキガエルは、沖縄島北部の固有種ですが、ヤンバルでは比較的多く観察する事ができるカエルです。
 山地渓流産卵性のカエルで、山地の渓流部やその周辺の樹林内に生息していますが、林道にもよく出てきています。
 近縁種は、奄美大島・徳之島にアマミハナサキガエル、石垣島・西表島にオオハナサキガエルとコガタハナサキガエルが分布しています。
ハナサキガエル

 次に姿を現してくれたのは、オキナワアオガエルです。カラカラに乾燥している林道によく出てきてくれたものです。
 オキナワアオガエルは、沖縄島・伊平屋島・久米島に分布するアオガエル科のカエルで、海岸付近の草地から集落や農地、山地部の樹林地まで幅広い環境に生息しています。
 南西諸島には、近縁種のアマミアオガエルが奄美大島・徳之島に、ヤエヤマアオガエルが石垣島・西表島に分布しています。
 日本に生息するアオガエル科のカエルは、上記以外にモリアオガエルとシュレーゲルアオガエル、外来種のシロアゴガエルが生息し、どの種も特徴的な泡状の卵塊を地上や樹上に産みつけます。

オキナワアオガエル  
オキナワアオガエル オキナワアオガエル
オキナワアオガエル

 その後も、時々姿を現すハナサキガエルやリュウキュウカジカガエルの写真撮影をしながら進みます。
 奥川の源流部で、ホルストガエルが時々ワオッと鳴いています。懐中電灯で周囲を照らしてみると・・・・アレレ。去年まで樹林に覆われていた場所が大規模に皆伐されているようです。これは、明日の昼間に確かめる事にして、先に進むことにします。
 奥川が併走し、沢から取水している水汲み場まで到着しました。
 この場所は、いつも湿っているので、安定してカエルを観察できる場所です。
 懐中電灯片手に湿り気のある路傍を歩きます。
 小さなカエルが驚いて飛び跳ねます。近づいて観察すると、リュウキュウカジカガエルヒメアマガエルです。

リュウキュウカジカガエル ヒメアマガエル
リュウキュウカジカガエル
ヒメアマガエル

 リュウキュウカジカガエルは、トカラ列島口之島以南の南西諸島に広く分布し、海岸付近からの集落や農地、山地部の樹林地まで幅広い環境に普通に生息しています。
 ヒメアマガエルは、喜界島・奄美大島以南の南西諸島に広く分布し、海岸付近からの集落や農地、山地部の樹林地まで幅広い環境に極めて普通に生息しています。
 海外では台湾・中国東南部・東南アジア・インドに分布していて、1種だと思われていましたが、最近の研究成果から、少なくても4種に分化していることが分かっています。
 日本で一番小さなカエルでジャンプ力もあるため、なかなか見つけにくいカエルです。
 最後は、ナミエガエルの登場です。

ナミエガエル  以前はこの場所で、幼体から成体まで多くの個体を観察する事ができたのですが、最近がなかなか観察ができなくなってしまいました。
 ナミエガエルは、沖縄島北部の固有種で県の天然記念物に指定されています。
 山地渓流性のカエルで、山地の源流部に生息し水生傾向の強い種です。

 さて、本日の観察はこれでおしまいです。
 明日に期待して、ホテルに向いました。
ナミエガエル

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文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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