その33 アフリカを枕に(セイシェル・ケニア生きもの紀行)-1
Ikimono Dayori sono33

アフリカを枕に(セイシェル・ケニア生きもの紀行) Page1

 妻と結婚して、18回目の記念日を迎えました。
 その間に2人の子供が産まれ、家族は4人になりましたが、親戚や仲間にも恵まれて、楽しく暮らしています。
 今回の生きもの便りは18回目の結婚記念として、妻への感謝の意味を込めて新婚旅行の話を書き留めておくことにしました。
 生きもの便りにどうして新婚旅行の話なのって?
木造の漁船
 そこは私と妻のこと、結婚式場のパックについてくるようなハネムーン先など最初っから頭の中にありません。
 自然が豊かで暖かく、しかも生きもの達が豊富に生息し、長期休暇を利用しないとなかなか行かれそうもない所。南アメリカ、東南アジアの僻地、百歩譲って南太平洋やインド洋の島々・・・などなど。
 頭に浮かぶ候補地をパンフレットを見たりガイドブックを読んで比較し、出した答えは・・・
アフリカを枕に これで決定!!
木造の漁船
 
 頭の中をさわやかなサバンナの風が通り過ぎていきました。
 方針が決まると、詳細な検討が必要です。
 旅行の時期は、休みが最も多く取れるように5月とし、ゴールデンウイークと結婚休暇をあわせて2週間の休暇を確保。
さてアフリカといっても とてつもなく大きな大陸・・・何処にするか?
 野生動物を多く観察できる場所。しかも宿泊施設がそこそこに充実していて、新婚旅行気分が少しでも味わえる場所。治安の問題が少ない場所ということで、セイシェル群島に立ち寄った後、東アフリカのケニアのナショナルパークを訪れる事にしました。
 2月に結婚式、3月にパーティーを開き、そのあとは新生活もそこそこに、5月の旅行までにビザを申請したり、イエローフィーバー等、各種の予防注射を打ったりと(これは2−3種やると段階的な日にちが必要なのです)、慌ただしく過ごし新婚旅行の当日を迎えました。
人気のない早朝のビーチ

地上最後の楽園 セイシェル
 
 成田で出国手続きを済まし、英国航空で香港とコロンボ(スリランカ)を経由して15時間のフライトの後、夜遅くにセイシェル共和国のマヘ島に到着しました。
 セイシェル共和国は、アフリカ大陸の東側、インド洋上に浮かぶ大小90余りの群島からなる島国で、大きさで言えば種子島と同じぐらいでしょうか。

 17世紀にはフランス統治下、その後イギリス領となり、現在はイギリス連邦内の小さな共和国ですが その歴史故にどこかヨーロッパの香りのする国です。
 またセイシェルは「地上最後の楽園」「インド洋のエデンの園」とも形容され、温暖な海洋性気候に育まれた豊かな森や美しい海に囲まれた美しい島国でもあります。
 生物的には、アルダブラゾウガメの生息地として有名です。
セイシェル国際空港

 海岸沿いのリゾートホテルで一夜を過ごし、朝早くにホテル内の庭や海岸を散策しました。
 ホテルの庭先では、チョウショウバトやベニノジコ、カバイロハッカ等の鳥が手の届くところにまで集まり、木の上では可憐なヒメアジサシが休んでいます。大きな葉に隠れた巨大なクモを見つけてぞっとする場面もありました。

ベニノジコ
菓子に集まるチョウショウバトとベニノジコ
カバイロハッカ
ヒメアジサシ
巨大なクモ
   

 海岸は、緩やかな円弧を描く美しい砂浜と花崗岩の奇岩が景観領域を形成した、理想的な海岸です。砂浜の背後の濃い樹林も見事としか言いようがありません。
 早朝の為、リゾート客の姿はありませんが漁師が地引き網を引いています。トランペットフィッシュなどの様々なさかなが次々にあがってきます。小さな木造船では、釣り上げたキハダマグロを荷揚げしています。のんびりとした海辺の風景を写真に収めていると眩しげな太陽があがっていました。
キハダマグロを持つ漁師
地引き網を引く漁師 地引き網にかかった魚達1 地引き網にかかった魚達2 地引き網にかかった魚達3
     

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文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
お便りの宛先は、sakuchan@ikimono.net です