さくちゃんの生きもの便り(その18)
  心優しき嫌われ者達(身近に見られる爬虫類)−1

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 全国的に梅雨入りし、うっとうしい日々が続いています。温度や湿度が高くなると爬虫類と出会う機会が多くなります。
 私達が小さかった頃、家の近くで頻繁に見られたトカゲやヘビは、身近な自然環境の消失や石垣のブロック塀化等により住処をなくしてしまい、どんどん少なくなってきました。
 今回の「生きもの便り」は、普通の人達にはとかく嫌われがちな、身近に見られる爬虫類を紹介し、少しでも爬虫類に対する偏見をなくし、興味を持ってもらいたいと思っています。
 では身近に見られる爬虫類達を紹介しましょう。


ニホンヤモリ

 最も身近な爬虫類といえば、やっぱりニホンヤモリだと思います。
 ニホンヤモリは、本州、四国、九州、対馬に分布し、主に人家周辺に生息しています。夜行性で、通常は民家の照明付近の壁面で、灯りに集まってきている昆虫を捕食しているところをよく見かけます。そう、ニホンヤモリは家の中に入ってくる昆虫類を食べてくれる有益な爬虫類なのです。
 繁殖期は5月〜9月頃までで、戸袋や縁の下の隙間等に通常2個の卵を2〜4回位産卵します。冬季は、民家の隙間で越冬する、人間の生活環境に密着した生活を送っています。都市化の進んだ横浜でもよく見かけます。

成体
幼体
ニホンヤモリ(横浜産)

ニホンカナヘビ

 最も身近な爬虫類がニホンヤモリなら、最も身近に見られるトカゲといえばニホンカナヘビでしょう。しかも大変スマートでエレガントなトカゲです。
 ニホンカナヘビは、北海道から九州、トカラ列島の中之島まで分布し、主に草むらや藪を住処としていますが、ちょっとした草地があれば民家の庭や公園にも生息しています。

 昼行性で草や低木、石の上等で日光浴する姿をよく見かけます。餌は小昆虫等で、昆虫を追いかけて素早く捕まえて食べるところを観察することもできます。
 繁殖期は5月〜9月頃までで、土の中に通常1〜8個の卵を2〜4回位産卵します。冬季は、土の中や石の下で越冬します。

ニホンカナヘビを持つ子供
ニホンカナヘビ三景(横浜産)  

ニホントカゲ

 ニホントカゲは、私が小さかった頃、ニホンカナヘビと同じくらい身近に見られたトカゲです。残念ながら現在では、石垣等の住処をなくして見る機会が少なくなってしまいました。
 ニホントカゲは、北海道から九州まで分布し、主に石垣や草地、陽当たりの良い崖地等に生息しています。民家や田畑の石垣周辺で日光浴をしている姿をよく見かけます。
 幼体の体色は派手で、黒色の地色に金色の縦条が3本有り、尾は金属光沢のある青色をしています。色彩は成長とともに変化し、成体になると全身が薄褐色で太い茶褐色の縦条があるだけになってしまいます。ですから幼体と成体とではまるで別種のようです。
 餌は、昆虫類やミミズ等で、昆虫を追いかけて素早く捕まえて食べるところや石の下にトンネルを掘って潜んでいるところを観察することもできます。


ニホントカゲ(横浜産)  


 繁殖期は5月〜7月頃までで、石の下等に通常10個程度の卵を産卵し、卵が孵化するまで親が卵を保護しています。冬季は、土の中や石の下で越冬します。
 横浜市西区にある妻の実家(野毛山動物園の近く)の庭と隣接する草地には、ニホンカナヘビとニホントカゲが数多く生息しており、私の良き観察フィールドとなっています。
 ニホンカナヘビやニホンヤモリも同様ですが、強く触ると尻尾を自切してしまいますから捕まえるときは注意して下さい。

石の下で卵を守る♀
(横浜産)
心優しき嫌われ者達(身近に見られる爬虫類)−2 に続く 
   (写真:ニホンカナヘビ)
 
文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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