さくちゃんの生きもの便り(その4)
 

 今回は、日本でも1、2を争う綺麗な昆虫の話をしましょう。
 皆さんは、舗装されていない山道や広場、海岸等を歩いていると、前へ前へと素早く飛ぶ昆虫を見かけたことはないですか。 地方によっては、ミチオシエの名前で親しまれています。私の故郷の広島では、ミチアンナイとかミチシルベと呼ばれています。そう、この虫が今回紹介するハンミョウです。


 ハンミョウは、オサムシ類に近い仲間ですが、頭(頭部)が大きくて目(複眼)が飛び出しています。口も大きくて、長い大あごと鋭い歯で小さな昆虫を捕まえて食べます。でも、ハンミョウの一番の特徴は、タマムシと同じような金属光沢の綺麗な体表をしていることです。 素早く飛び立つため、綺麗な体色をじっくり観察するのはなかなか難しいのですが、ゆっくり近づいて観察するか、捕虫網で捕まえて体の特徴を観察してみて下さい。捕まえて観察する場合は、大あごにはさまれないようにして下さいね。とっても痛いですよ。それと、ハンミョウを触った後は、必ず手を洗って下さい。
 日本には、約22種のハンミョウの仲間が生息していますが、その多くは草があまり生えていない砂地や山道等の裸地で見かけます。それは、ハンミョウの幼虫が山道の斜面や砂地に穴を掘ってひそみ、近づいてきた小昆虫を捕食して成長するからです。
 ハイキング等に行ったときは注意して見て下さい。きっと綺麗なハンミョウを見つけることができると思います。

 では、ハンミョウのお話はこれで終わります。次回をお楽しみに。

1999年5月10日

文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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