さくちゃんのいきもの便り (その2)
 
 桜の花も終わり、新緑が顔を出す季節になってきました。いろいろな草花も花を咲かせ、色鮮やかな季節です。 暖かさにつられて公園や野山に出かけてみて下さい。 そこには、たんぽぽやなのはなで蜜を吸っていたり、小川や畑、林のまわりを飛び交う、純白がまぶしい蝶々に出会うことができると思います。

 さて、第2回目は、この白い蝶々のお話です。 みなさんは、この蝶々がどういう名前か知っていますか? 多くのみなさんは、モンシロチョウとこたえるのではないでしょうか。 答えは△です。

 実は、この季節に見かける白い蝶々には、3種類の蝶々が混ざっています。 みなさんがよく知っているモンシロチョウと、そのほかにスジグロシロチョウとツマキチョウがいるのです。


 モンシロチョウは、前ばねの先と真ん中に黒い紋があって、主に日当たりの良い開けた所に棲んでいます。幼虫は主にキャベツやアブラナなどのアブラナ科の栽培野菜を食べて育ちます。
モンシロチョウ:左がオス、右がメス

 スジグロシロチョウは、モンシロチョウより大きくて、はねの筋が黒くなっています。主に、日陰があるような林のまわりなどに棲んでいます。幼虫は主にイヌガラシやタネツケバナなどの野生のアブラナ科の植物を食べて育ちます。オスは、はねの付け根からミカンのようないい匂いを出します。
スジグロシロチョウ(スジグロチョウ):オス

 ツマキチョウは、モンシロチョウより小さく、前ばねが鳥のくちばしのような形になっていて、オスは黄色い紋があります。主に林のまわりや河原の日当たりの良い所に棲んでいます。幼虫は主にイヌガラシやタネツケバナなどの野生のアブラナ科の植物を食べて育ちます。
ツマキチョウ:左がオス、右がメス

 1年に1回、春だけに出現し飛び交います。 みなさんの家の近くには、どのシロチョウが棲んでいるますか?調べてみて下さい。 遠くから見ているだけでは、どのチョウか区別が難しいと思います。近くでよーく観察するか、つかまえて調べてみて下さい。特に、スジグロシロチョウを見つけたらつかまえてみて匂いをかいでみて下さいね。

 
つかまえて観察した後は放してあげるか、標本にして大切に取って置いて下さい。標本には、とった場所や日にちを書いた紙を付けておきましょう。また、観察日記をつけることもよいと思います。

 では、シロチョウのお話はこれで終わります。次回をお楽しみに。

 
文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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